タマバチの世代交番

ナラタマバチ族各種
ナラタマバチ族のタマバチ

タマバチ科の大部分の種はブナ科のコナラ属、いわゆるドングリの木を主な寄主としています。この仲間はナラタマバチ族(Cynipini)と呼ばれ、その多くの種は「世代交番」をおこなうという生態をもっています。

ナラタマバチ族の一般的な世代交番様式
ナラタマバチ族の一般的な世代交番様式

 世代交番とは雄と雌が出現する両性世代と、雌のみが出現する単性世代が周期的に入れ替わる現象です。ナラタマバチ族の世代交番の一般的な特徴として、1)両性世代の子は単性世代、単性世代の子は両性世代というように、両性世代と単性世代が年1回ずつ交互に現れること、そして、2)両性世代と単性世代では、同じ種であっても、成虫の姿や虫えいの形、虫えいが作られる部位に至るまで、劇的に異なるということが挙げられます(下図)。

両性世代と単性世代
クヌギエダイガタマバチTrichagalma serrataeの単性世代(左)両性世代(右)